第1 章 洞穴ってなんなの?

1.人間が作り出した地底空間

人間が作った地底空間は、金や石炭などの鉱物を掘り出すための鉱山の坑道や、戦争に備えて作られた防空壕、鉄道や道路を通すためのトンネルが代表的なものですが、近年都市部では地下鉄網の発達とともに地下街が整備され、さらに洪水に備えて地下に大規模な貯水槽が建設されるなど、今後ますます地底は開発されるでしょう。
しかし、そのために地下の水脈に大きな影響を与え、井戸水が枯れたり、予想外の場所から突然水がわき出したり、地面が突然陥没したりしています。このため、今後の開発には詳しい地下水脈の調査が求められています。

2.自然が作り出した地底空間

一般的には洞穴と言えばあぶくま洞などの鍾乳洞ですが、なぜ鍾乳洞と呼ぶのでしょうか?それは、あぶくま洞などの洞穴には鍾乳石があるからです。鍾乳石は、石灰分が少しでもあれば火山の溶岩洞や海岸の海食洞でも作られます。鍾乳洞という呼び方をすれば鍾乳石のある洞穴全体をいうことになり、間違いではないのですが、あまりにも広い意味での洞穴をいうことになります。
従って、最も適切に地底の空間を表現する呼び方として、その空間が作られている主な母岩によって呼び方を変えた方が適切です。石灰岩の中にある地底空間は石灰洞、溶岩の中にある場合は溶岩洞、砂岩の中にある場合は砂岩洞と言います。

第2 章 石灰岩ってどんなもの?

1.石灰岩のできかた

石灰岩の主成分は炭酸カルシウムです。
何故なら大昔の海中に棲んでいた貝殻やサンゴ、海百合等のカルシウム分を多く含んだ海の生物の死骸が長い時間をかけて積み重なり、固い岩石に変化したものだからです。雨水は降ってくる間に炭酸ガスを少し吸収し、さらに地上に落ちて腐った植物の土の層を通り酸性の水となります。そして、その雨水が酸性の濃度の分だけ石灰岩を溶かします。


2.鍾乳洞のできかた

地表面の溶け残った石灰岩が点在する地形をスロベニア共和国(旧ユーゴスラビア)の石灰岩地帯、カルスト地方からその名をとってカルスト地形またはカルスト台地といい、滝根町では仙台平で見ることができます。カルスト地形では「ドリーネ」と呼ばれるすり鉢状のくぼ地がよく見られます。これらのドリーネには沢の水が流れ込み石灰岩の割れ目に沿って洞穴が作られます。その典型的な洞穴が滝根町の入水鍾乳洞とあぶくま洞なのです。